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『シン・ゴジラ』の映画予告編

皆さん、こんにちは。ココロドル、エディターの菱沼です。

今回は、ある特定の映画予告編についてお話していきたいと思います。

 

その映画予告編とは、『シン・ゴジラ』です。

この映画は、約12年ぶりの日本版「ゴジラ」作品として

2016年7月に公開され、その年の実写邦画No.1の興収を記録し、大ヒットとなりました。

 

「新世紀エヴァンゲリオン」などの庵野秀明が総監督を務め、

映画ファンだけでなく、アニメファンまで巻き込んだ社会現象となりました。

私自身も『シン・ゴジラ』のために、何度も映画館に足を運んだ者のうちの一人です。

 

早速、この映画の予告編の変遷についてお話していきます。

 

まず、2016年4月、YouTubeにて「予告1」が公開されました。

この「予告1」が、とてつもなく大きな話題を呼ぶこととなります。

 

その、気になる内容ですが、

初めてその姿が公開された、今作に登場する「ゴジラ」の咆哮から始まります。

まるで、約12年間眠り続けていた日本の「ゴジラ」の帰還を印象付けているようでした。

そしてそのカット以降、音に関する情報がBGMのみになるのです。

つまり、BGMをメインに、様々なカットが次々と展開されるものの、

登場人物が何を喋っているか分からず、映画のストーリーなども全く不明だったのです。

 

この「予告1」を受け、当時は、読唇術の専門家まで登場することもありました。

それまで隠されてきたこの映画の謎がさらに深まることとなりました。

 

この予告編には、これまでのコラムで私がお話してきた、

よくある要素や技法、ルールがありません。その裏をかく、斬新な予告編です。

肝心の「ゴジラ」ですら、その姿を確認できるカットは少ないです。

加えて、「エヴァ」でお馴染みの作曲家のBGMということもあって、

庵野秀明の作家性を表す予告編となっており、とても衝撃を受けました。

 

その後は、「予告1」の映像から分かることだけを抽出し、

考察する人が増えていきました。これも、予告編の楽しみ方のひとつです。

 

そして、その数ヶ月後、予告編に関しての新たなニュースが発表されました。

それは、TOHOシネマズでしか見ることのできない、

限定予告編が新たに公開されているというものでした。

 

映画館でしか見ることができない予告編。これもまた、斬新な宣伝方法だと思います。

 

この限定予告編は、本編の公開後に、SNSなどでも確認できるようになりました。

これは「予告1」とは随分異なり、

効果音やテロップ、BGM、そして登場人物のセリフなどで構成され、

これまでのコラムでお話したものに則ったような形となっています。

 

こうやって、ようやく本編のあらすじが明かされることとなり、

公開を待ちわびるファンの思いが、このタイミングで一気に高まったのです。

 

そして公開10日前、突如「予告2」がYouTubeにて公開されます。

これはまた「予告1」のように、BGMをメインとしている形のものでした。

新しいBGM、そして新しいカットが解禁され、

ついに、公開への秒読みが始まっていったのです。

 

私は、この当時のことを鮮明に覚えています。

ひとつの映画の予告編に胸を躍らせる、ある意味では予告編に翻弄される数ヶ月間でした。

予告編が持つ力、その影響力は、

とても強大なものだと改めて知ることとなった瞬間でもあります。

 

『シン・ゴジラ』は、予告編が公開されたその日から、

2016年を、そして日本を代表する、一本の映画となったと思います。

 

今回は、少しマニアックな部分もあったかと思いますが、

お話した3本の予告編を見て、当時の興奮を少しでも感じていただければ嬉しいです。

 

次回もお楽しみに。それでは。

 

 

この記事を書いた人

Yusuke Hishinuma― Editer ―

この記事を書いた人

Yusuke Hishinuma― Editer ―

兵庫県生まれ。幼い頃から映画に興味を持ち、高校卒業後、専門学校へ進学。映画・映像制作全般について学ぶ。映画をこよなく愛し、年間鑑賞本数は200本を超える。最新の映画予告編も欠かさずチェック。多種多様な映像作品から得られるノウハウは、自身の制作現場において大いに生かされている。モーショングラフィックスとテキストアニメーションを得意とし、ディレクターとして独り立ちすべく、日々仕事に邁進中。技術の向上に貪欲で、さまざまな案件を通して研鑽を積んでいる。

 

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