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Yuta Mitsumoto

予告編ってどうやって作られる?

よく、予告編ってどうやって作っているの?
という質問を受けます。

 

確かに私も最初は、全く未知の世界でどういう工程を踏んで
予告編が出来上がるのか想像がつきませんでした。

 

今回はよくあるこの質問に関してお話していこうと思います。
実際、制作に関しても何パターンかあるのですが、
その中でも一番ベーシックな制作の流れをざっくりとお話します。

 

①ご依頼

兎にも角にも、まずはここからです。
予告編制作のご依頼を受け次に進みます。

 

②打ち合わせ
次にクライアントと、どういった予告編を作るのかを前提に
本編のコンセプト、ターゲット、PRの方向性について打ち合わせします。

 

③試写
予告編を作るには、当然のことながら本編を見ます。
もちろん”公開前”にです。
中にはまだ世に出回っていない情報を扱うので、
守秘義務等の厳しさや責任の重さは計り知れない程のものになりますので、
打ち合わせの段階からいただく情報は特に注意を払って扱わなければなりません。

 

④ラフ提案
本編から、シーンをざっくざっく切って、構成していきます。
アイデア次第ですが、基本的に4~5パターンのラフを作っていき、
クライアントにどの演出がいいかご提案していく工程になります。
ナレーションがあるパターンもあれば(もちろん仮のナレーションで)
セリフもナレーションもないパターンもあります。

もちろんラフなので、音量バランスどころかBGMや効果音もこの段階では入っていません。
あくまで”画”や展開の”演出”のラフであり、全体的な方向性をこの段階で決めていきます。

 

⑤選曲
基本的にラフ提案と同時に選曲を行っていきます。
私の場合は、多い時で10~20曲ほど、クライアントに提案し、選んで頂きます。
予告編に使われているBGMは映画の中のBGMと思われがちですが、
大半は全く別の、本編とは関係ない楽曲を使うことがほとんです。
このお話をすると、日が暮れるほど深い話になるので、また別の記事でお話できたらと思ってます。

 

⑥オフライン編集
“画”と”音”が決まれば、いよいよ演出に入ります。
数十秒の動画の中に、ストーリーを描き、強弱をつけ、PRの方向性にのっとった訴求をする。
ここが大きく演出家によって特色が分かれるところです。
予告編業界は少し特殊で、
「どこの制作会社に依頼するか」
ではなく
「誰に依頼するか」
が普通の映像制作とは違うところであります。

 

⑦戻し
クライアントの確認だけではなく、キャストの事務所やその他多くの関係者に周り、
戻しがあります。ここの確認工程が特に大人事情と言いますか色々ビジネス的な兼ね合いもあるので
確認だけで1ヶ月近くかかる時もあります。

 

⑧MA
確認が終わり、修正したものを今度は整えていきます。
MAというのは日本固有の言い方なのですが、マルチオーディオと言って、
簡単に言うと「整音」作業のことを言います。
必ずスタジオに入ります。

スタジオにも、シアタータイプとMAタイプの2パターンありまして、
この辺に関してもまた別の記事で詳しくお話できたらと思います。

TVスポットの場合、2.1ch
劇場用の場合は5.1chにする必要があり、
基本的に1台の制作コンピューターで予告編は作れません。

うん千万円という設備があってはじめて可能になる工程です。

ちなみにMAに関して、私がアメリカでやっている時は
ここの工程をMAではなく、APP(オーディオポストプロダクション)とか言ってました。

このMAは予告編だけではなく、映像制作の現場では日常的に使われていますが、
私はいまだにAPPって言う癖があって、伝わらない時があります…笑

ここの工程で、PR関係者全員が集まり、リアルタイムでナレーションの吹き込みや効果音の調整を行っていきます。
MAするだけで、制作側は他にも準備することがたくさんあります。
MAに持っていくためのデータ変換など…
予告編を作る上で、一番緊張し、達成感が得られる工程でもあります。

 

⑨DCP化
実はMAして、動画データをお渡しして、はい終わりというわけにはいかない時もあります。
ウチの場合は、予告編を映画館で流せる形(DCP化)にして納品するのですが、
MOVデータだけで良い時もありますが、基本的にTVスポットやWEB用をのぞいて
DCP化は必須です。

ここで問題になるのがDCP化の仕様によっては
23.976FPSで問題ないのか、24FPSじゃなきゃだめなのかが決まります。

取り返しがつかない要素として、
MAを23.976FPSでしたのに、24FPSじゃなきゃだめって言われる時です。
(まぁ実際は23.976と24ぐらいであればどこも対応いただけることが多いですが…)

当たり前のことですが、30FPSと24FPSだけは間違えてしまうと取り返しがつきません。
さすがにこれをミスする事例はなかなかありませんが、実際私は聞いたことがあります。

映画は24fpsですが、ドラマになると30fpsとかもよくありますし、スポーツですと60fpsの予告とかも実際あります。

当たり前のように24で作ってて実際30fpsだったってことだけは注意しないといけません。

少し脱線しましたが、DCP化は専門知識が必要ということと、
DCP化するだけでかなりのコストがかかるという点がありますので、
制作側がどこまで対応できるかも大きく左右されるところかもしれませんね。

 

普通の映像制作(WEB用)では、ひとつの制作コンピューターで完結することが多くあると思いますが、
予告編ではそうはいきません。

以上がかなりざっくりとした予告編制作の流れでした。

 

またそれぞれの詳しい内容をお話できればと思います。

 

 

この記事を書いた人

密本雄太― 演出家 ―

この記事を書いた人

密本雄太― 演出家 ―

福岡県生まれ。デザインと映像系専門学校を2校卒業した後、アメリカ、ロサンゼルスの映画予告編制作者の元で、演出面での修行を積む。ディレクターとして独立後、モーショングラフィックスやアニメーションなどの動画編集技術はもちろん、ビジュアルデザインのスキルも武器に、プロモーション映像や映画の予告編なども多数制作してきた。企画〜制作までの一貫した提案を得意とする。 一度興味をもったものには凝り性で、独学で始めたカメラでは多数のコンテストに入賞。水中専門のフォトコンテストでは、数千作品の中から金賞を受賞。海外メディアにも掲載された。精通したカメラの知識は動画制作にも大いにいかされており、撮影段階から携われるクリエイティブディレクターとして各所から仕事を任される。

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