こんにちは。 映画『ウィキッド ふたりの魔女』の後編公開が楽しみで仕方がない木村です。
毎年話題になる「映画賞」。アカデミー賞で誰が受賞したか、カンヌでどの作品が話題になったか——映画好きなら見逃せないイベントですが、「実際、何が違うの?」と思ったことはありませんか?
この記事では、特に有名な4つの映画賞をピックアップし、それぞれの違いをわかりやすく紹介します。
【アカデミー賞(オスカー):世界の頂点に立つ映画賞】
まずは言わずと知れた「アカデミー賞」。アメリカ映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催し、世界中の映画人が目指す最高峰の賞です。
審査は映画業界のプロフェッショナル約9,000人による投票制で、演技・監督・脚本・編集など映画の職人技を細かく評価。授賞式は2月〜3月に開催され、厳粛かつ格式高い雰囲気が特徴です。
まさに「映画界のオリンピック金メダル」といえる存在で、その年の「世界一」の映画が決まります。
最近では、『ウィキッド ふたりの魔女』が衣装デザイン賞と美術賞を獲得していました。
【ゴールデングローブ賞:話題性と人気の“前哨戦”】
次に紹介するのが、「ゴールデングローブ賞」。こちらはハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が主催し、映画だけでなくテレビドラマも対象です。
審査員は世界中から集まった約90人の記者たち。評価の軸はアカデミー賞よりもややライトで、話題性・人気作・スター性に重きを置いています。
毎年1月に行われるこの賞は、「アカデミー賞の前哨戦」とも呼ばれ、映画賞シーズンのスタートラインとして注目されます。授賞式もドレスアップしたスターが自由に飲みながら笑い合う、ショー的な華やかさが魅力です。
その年の話題作や活躍したスターが、映画からドラマまで広い範囲の部門で決められます。
最近だと『デッドプール&ウルヴァリン』が興行成績賞を受賞していましたね。個人的には『オデッセイ』などもめちゃくちゃ好きです。
【カンヌ国際映画祭:芸術と革新の聖地】
芸術的な映画が好きなら、外せないのが「カンヌ国際映画祭」。フランス・カンヌで毎年5月に開かれるこの映画祭は、芸術性・作家性・革新性を重視し、商業的な成功よりも映画としての深さや独自性が評価されます。
最高賞である「パルム・ドール」は、監督のキャリアを一気に押し上げるほどの影響力を持ちます。
『万引き家族』や『ドライブ・マイ・カー』が受賞・選出されたことで、日本でもその名をよく聞くようになりました。
カンヌは、「映画とは何か」を根本から問い直すような挑戦的な作品の宝庫で、作品の芸術性や作家性が問われます。
個人的に好きなのは『関心領域』など…まさに尖っている作品でした。
【日本アカデミー賞:日本映画界の1年を総括】
日本国内で最も有名な映画賞が、「日本アカデミー賞」です。1978年から続くこの賞は、日本映画業界のスタッフや俳優たちが1年の成果を讃え合う舞台。
最優秀作品賞、監督賞、主演男優・女優賞など、アカデミー賞と似たカテゴリで構成されています。対象はあくまで日本で公開された日本映画。
興行的な成功や知名度も評価に反映されやすく、ジブリ作品や話題の実写映画が常連です。芸能人が多く登壇するため、テレビ的な華やかさもあり、一般の視聴者にもなじみやすい賞です。
国際的な影響力は高くありませんが、邦画の商業的な評価がなされます。
去年は『正体』が受賞していましたね。
【まとめ:それぞれの映画賞に、それぞれの“価値”がある】
ここまで、4つの映画賞について紹介してきました。ざっくりとまとめると、
- アカデミー賞:世界最高峰の映画賞。プロによる技術と完成度の評価。
- ゴールデングローブ賞:話題性、人気重視で、アカデミー賞の「前哨戦」。映画とテレビ、どちらも対象。
- カンヌ国際映画祭:芸術性と革新性が最重要。作家性を重視。
- 日本アカデミー賞:日本映画界の年間ベストを決める。商業的成功と話題性重視。ややローカル。
といったところでしょうか。
映画賞は、その国の文化、目的によって評価軸が大きく異なります。
どの賞を受賞したかを見ることで、その作品が何を評価されたのか、どんな立ち位置にあるのかが見えてくるはずです。
映画が見たいけど選び方がわからない、そんなときに参考にしてみると、もしかしたら、好きな映画に出会うことができるかもしれません。