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【第五回】映画予告編の魔法

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2020.05.21
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【第五回】映画予告編の魔法

皆さん、こんにちは。ココロドル、エディターの菱沼です。
今回は、これまでお話してきた、「映画予告編を形作る様々な要素や技法」
というテーマのまとめとなります。
 
これまで、
映画予告編の要素や技法について、いくつかご紹介してきましたが、
最後に、予告編のあるルールについてお話しましょう。
 
予告編には、守らなければならないルールがいくつかあります。
 
今からお話するものは、
主に海外映画の予告編のことになってしまうかもしれませんが、
今後そういった予告編を観るときに、「このことか!」と感じていただければ幸いです。
 
まずあなたは、予告編の冒頭において、
何か注意書きのようなものが記されている、緑色のカットを見たことがあるでしょうか。
その一枚画が短く表示されてから、予告編が始まるものがあります。
実はこれは、
「どんな視聴者にとっても比較的穏やかで、安心して見られる予告編ですよ」
ということを表しているのです。
 
例えば、血が出てくるようなカットがあったとしても、
本編の血の色とは全く違う色に変えたりして、
まるでそれがスライムのように見せたりしているのです。
ホラー映画やアクション映画の予告編では、こういったルールが守られています。
「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」の本編をご覧になった方は、
改めて、予告編と見比べるように確認してみてください。
 
たまに、登場人物の服に付いた血が血に見えずに、
ただの汚れのように認識されてしまうということもあるようです。
 
また、「アベンジャーズ」シリーズを好きな方の中では有名な話ですが、
この映画シリーズの予告編では、本編には1秒もないカットなどが使われています。
今もなお、世界を熱狂させ続けている大人気シリーズなので、ネタバレ厳禁であり、
あまり多くのカットを見せられないような映画の予告編では、
そういった手法が使われるようになりました。
 
なので、予告編の中で映し出されている情報は、
あまり信用しすぎないようにしましょう、ということですね。
 
そして、先ほどお話した、
「どんな視聴者にとっても比較的穏やかで、安心して見られる予告編」を示す緑のバンド。
では、これに当てはまらないものも存在するのか。
そういった予告編は、赤いバンドの注意書きで始まります。
これらは主に成人向けで、とても刺激的なカットやセリフが使われます。
 
予告編は、誰もがネット上で簡単に見られるものなので、
刺激が強すぎるものはカットの補正をしたり、
そのことを冒頭で視聴者に知らせたりしているのです。
視聴するときには、注意をしましょう。
 
今や映画予告編は、ツイッターやインスタグラムなどの様々な場所で展開されています。
そのプラットフォームにあった動画サイズ、例えば正方形のものや、縦長のもの。
YouTubeの広告動画として流れる、たった6秒の「バンパー」と呼ばれるもの。
 
予告編はいろんな形となって、どこにでも存在するようになりました。
 
その楽しみ方も人それぞれで、
公開日まで、何回も繰り返し見るという人、
全く見ずに、知識を入れないという人、
本編を見終わったあとで見るという人。
多様な楽しみ方がある限り、これからもその幅は広がっていくのだろうと思います。
 
いかがでしたか。映画予告編はどんな形であれ、これからもずっと、
私たちを映画の世界へと導いてくれる重要な存在としてあり続けます。
みなさんもこれから、いろんな視点を持って、
映画館で、YouTubeで、動画配信サービスで、予告編を楽しんでください。
最後まで、この「映画予告編の魔法」を読んでくださったあなたはきっと、
いつもと違った景色が見えるようになっているはずです。
 
これからもこのコラムでは、世界の様々な予告編を紹介していこうと思います。
お楽しみに。それでは。

この記事を書いた人
Yusuke Hishinuma
Yusuke Hishinuma
【C.E.S チーフエディター】

幼い頃から映画に興味を持ち、高校卒業後、専門学校へ進学。映画・映像制作全般について学ぶ。映画の年間鑑賞本数は200本超。最新の映画予告編も欠かさずチェック。多種多様な映像作品から得られるノウハウは、自身の制作現場において大いに生かされている。モーショングラフィックスとテキストアニメーションを得意とし、各所から定評がある。

幼い頃から映画に興味を持ち、高校卒業後、専門学校へ進学。映画・映像制作全般について学ぶ。映画の年間鑑賞本数は200本超。最新の映画予告編も欠かさずチェック。多種多様な映像作品から得られるノウハウは、自身の制作現場において大いに生かされている。モーショングラフィックスとテキストアニメーションを得意とし、各所から定評がある。

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