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【第二回】映画予告編の魔法

皆さん、こんにちは。ココロドル、エディターの菱沼です。

今回は引き続き、映画予告編が完成するまでの秘密について話していこうと思います。

 

さて、今回からようやく本題に入ります。

様々な予告編に共通して使われているあらゆる技法として、

最初は「音」に注目してみましょう。

 

どの映像作品にも同じことが言えますが、

予告編の半分は、勿論「音」が占めています。

予告編には、効果音、BGM、ナレーションなどの要素が使われますが、

ただ単に映像を繋げて流すだけでなく、それらが映像に深みを与えているというわけです。

視聴者が何気なく予告編を見ているだけでも、

無意識のうちに、心が揺さぶられていることもあります。

 

そんな予告編の「音」の秘密にこれから詳しく触れていきます。

まずは、「16声のクレッシェンド」です。

 

これだけ聞いてもピンとこない方も多いと思います。

そもそも「クレッシェンド」というのは音楽用語ですが、

「だんだん強く」という意味です。

 

「16声のクレッシェンド」は、主に海外の映画予告編でよく使われている技法です。

人の声のような音がだんだん大きくなっていき、

映画のタイトルやインパクトのあるカットの直前でその声がピタッと止まる、

というものです。

 

文章だけで説明しても伝わりづらいかもしれません。

「オリエント急行殺人事件」や「ジャングル・ブック」などの予告編を見ていただければ、

前後のカットがとても際立っているのがすぐに分かると思います。

この技法により、シーンの緊迫感を高め、一気に頂点まで持っていくことで、

まるで映画本編を見ているかのように、ハラハラしたり、ドキドキしたりできるのです。

予告編を見ている段階で楽しくなってくると、本編がさらに楽しみになりますよね。

 

この技法が使われている予告編は非常に多いですが、

どれも、必ずしも全く同じ声という形ではなく、種類は様々です。

かなり古典的な技法として、予告編の歴史の中で発展していきました。

 

また他にも、効果音として、

「ドン!」「バン!」「シャキーン!」といった衝撃音がよく使われます。

 

例えば、「爆発」の効果音を鳴らすカットがあるとします。

その効果音に合わせて「ワシの鳴き声」も聞こえてくる。

そうやって面白い効果音を付け加えるだけでも、

視聴者に、より大きな影響を与えることができるのです。

 

ここで、皆さんにぜひ見ていただきたいのが、「ベイビー・ドライバー」の予告編です。

その、カーチェイスのシーン。

運転手が鋭い目つきで目標の車を追いかけているカットで、

なんと「ライオンの声」が効果として聞こえてくるのです。

そしてその直後、追われている車の人物が怯えた顔で振り返るカットに切り替わる。

ひとつのシーンをこのように演出することで、

まるでジャングルでライオンが獲物を捕まえようと追いかけている場面のように

視聴者に認識させることができます。

この予告編を初めて見たときはとても驚きました。発想がクールで素晴らしいですよね。

 

映画予告編はこうやって、映像にたくさんの要素を足していき、完成させるのです。

 

今回は、主に効果音について話しましたが、

次回は、BGMをメインに、引き続き「音」の部分に触れていこうと思います。

お楽しみに。それでは。

この記事を書いた人

Yusuke Hishinuma― Editer ―

この記事を書いた人

Yusuke Hishinuma― Editer ―

兵庫県生まれ。幼い頃から映画に興味を持ち、高校卒業後、専門学校へ進学。映画・映像制作全般について学ぶ。映画をこよなく愛し、年間鑑賞本数は200本を超える。最新の映画予告編も欠かさずチェック。多種多様な映像作品から得られるノウハウは、自身の制作現場において大いに生かされている。モーショングラフィックスとテキストアニメーションを得意とし、ディレクターとして独り立ちすべく、日々仕事に邁進中。技術の向上に貪欲で、さまざまな案件を通して研鑽を積んでいる。

 

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