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【第四回】映画予告編の魔法

皆さん、こんにちは。ココロドル、エディターの菱沼です。

引き続き、映画予告編が完成するまでの秘密について話していこうと思います。

 

今回はまず、ナレーションとテロップに注目してみましょう。

 

映画にはキャッチコピーがありますよね。

「燃えよ剣」なら、「時代を追うな。夢を追え。」

「怒り」なら、「愛した人は、殺人犯なのか?」といったような感じです。

もちろんこういった映画のキャッチコピーを、

印象的なフレーズとして、予告編の中で視聴者に伝えるケースが多いです。

 

ただ、その伝え方にも選択肢があります。

声で表し伝えるか、文字で表し伝えるか、ということです。

ナレーションとテロップには、そういう大きな違いがあるのです。

先ほど挙げたふたつの映画の予告編では

どういう方法をとっているか、是非確認してみてください。

どちらも、とても印象的に伝わってくると思います。

 

キャッチコピーになっていないものの場合でも、

予告編には様々なフレーズが散りばめられています。

「日本映画史に残る傑作誕生」、「最狂の敵、あらわる。」など、

よく見たことがあるのではないでしょうか。

 

他にも、あらすじを紹介する段階で、

「この可憐な少女は、」や「高校生の頃、」という風に、

次のカットに繋げていくための補足のような形で使われたりなど、

本当にたくさんの表現方法があるので、

これから予告編を見るとき、

どこで、どういう形で、ナレーションとテロップが使われているか、

意識しながら見るというのも、いろんな発見があっておもしろいかもしれません。

 

予告編の段階で、視聴者に何を伝えて何を伝えないのか、

必ず意味のある、様々なカットの連続で予告編は成り立っています。

 

その、カットの繋ぎ方という部分にも、ひとつ秘密があります。

 

想像してみてください。

例えば、歩いている人が落とし穴に落ちるカットがあったとします。

次のカットで、それを見ていた人が何かリアクションをしている映像に繋がる。

そのときのリアクションというのが、

予告編があなたに伝えようとしている感情なのです。

 

どういうことかと言うと、

そのとき、お腹を抱えて笑っているようなリアクションに繋げると、

もちろん、コメディ的で、愉快な展開になりますし、

ショックを受けたようなリアクションに繋げると、

衝撃的で、怖い展開になります。

 

これらは全て、意図的に行われているものなのです。

さらに、こういったリアクションの映像は、視覚的なものなので、

言語などは関係なく、全世界の人が見て理解しやすいものと言えます。

ここは笑うところ、ショックを受けるところ、と、

どういう感情で予告編を見ていけばいいか、視聴者にとっても分かりやすいですね。

 

言い方を変えれば、様々な感情を表すカットによって、

視聴者も、知らないうちに感情をコントロールされているということです。

少し怖い感じがしますが、

映画予告編は、どの方向に展開させていくのか、

もちろん、映画本編のジャンルに合った演出が最も効果的な宣伝になるとは思いますが、

無限の可能性を秘めているのです!

 

さて、次回はいよいよ「映画予告編を形作る様々な要素や技法」という

これまでお話してきたテーマの、まとめに入ります。

お楽しみに。それでは。

この記事を書いた人

Yusuke Hishinuma― Editer ―

この記事を書いた人

Yusuke Hishinuma― Editer ―

兵庫県生まれ。幼い頃から映画に興味を持ち、高校卒業後、専門学校へ進学。映画・映像制作全般について学ぶ。映画をこよなく愛し、年間鑑賞本数は200本を超える。最新の映画予告編も欠かさずチェック。多種多様な映像作品から得られるノウハウは、自身の制作現場において大いに生かされている。モーショングラフィックスとテキストアニメーションを得意とし、ディレクターとして独り立ちすべく、日々仕事に邁進中。技術の向上に貪欲で、さまざまな案件を通して研鑽を積んでいる。

 

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