COLUMN

映画の規模と製作費は比例しないという罠

こんにちは!ココロドルの田中です。
 
今回は、映画の製作費及びギャラについての興味深いお話をしようと思います。
 
2020年現在、大人であればほとんどの場合1,900円で1作品が観れますよね。
少々高いと感じる方も多いかもしれませんが、製作費まで視野を広げてみるとその1,900円で観ることができる作品の規模の大きさがわかるはずです。
 
ところで皆さん、数ある映画の製作費がどれほどのものかご存知でしょうか?
下記にいくつか、製作費の例をご紹介します。
 
・『スパイダーマン3』301億8,600万円
・『タイタニック』234億円
・『どろろ』20億円
・『もののけ姫』23億5,000万円
 
いかがでしょうか。「想像より規模が大きい!」と思った方も少なくはないはずです。
そんななかで、興味深いのが『オーシャンズシリーズ』の製作費です。
 
・『オーシャンズ11』99億4,500万円
・『オーシャンズ12』128億7,000万円
・『オーシャンズ13』117億円
 
『オーシャンズシリーズ』といえば、ダニエル・オーシャン役のジョージ・クルーニーをはじめとして、ブラット・ピット、アル・パチーノ、マット・デイモンなどそうそうたる俳優が出演していることでも有名ですよね。
さらにアル・パチーノは『オーシャンズ13』からの登場ということからもわかるように、『オーシャンズシリーズ』では回を追うごとに豪華な出演陣が追加されていっているのです。
 
当然、「ギャラが膨れ上がってとんでもないのでは…?」と思いますよね。
でも、製作費を見てみると『スパイダーマン3』や『タイタニック』よりはかかっていないよう。たしかにトビー・マグワイアやレオナルド・ディカプリオなどの出演陣、制作の環境を考えると頷ける額ではあります。
 
ですが、注目すべきは『オーシャンズ12』から『オーシャンズ13』にかけて製作費が削減されているという点です。
あのアル・パチーノが参戦しているというのに…
 
この話のミソが、「映画のネームバリュー」です。
実は『オーシャンズシリーズ』はその作品自体の大ヒット、そしてジョージ・クルーニーの人徳との相乗効果で、俳優にとっては「ブランディングにもってこい」な作品となっているのです。
 
たとえば、あなたがもし『スター・ウォーズ』への出演オファーを受けたとします。そこで提示されたギャラは1万円。それ以上は出せないそう。
普通では考えられない額ですが、「え、出たい!」と思いませんか?(むしろお金を払ってでも出たいですよね)
少しおおげさな例ですが、『オーシャンズシリーズ』の製作費のタネはここにあるのです。
 
もはや知らない人はいないのではないかという『オーシャンズシリーズ』のネームバリューをもってすれば、ほとんどの俳優にとってその出演がプラスに働くはず。
「俳優のブランディングにはもってこい」という点は、高額のギャラに代えられない価値があるということです。
ジョージ・クルーニーとの共演も、多くの俳優が熱望するはず。
 
世界中で支持を集める『オーシャンズシリーズ』だからこそできる、「なので、このぐらいのギャラで許してね」という巧妙な罠なのでした。
 
ここでアル・パチーノの素敵なセリフをひとつ。
「脚本が悪いほど、ギャラが高い」

 
映画には、規模や出演陣によって相応の製作費がかかります。
『オーシャンズシリーズ』ほどの規模になれば、そのネームバリューによってこのようなことも可能かもしれませんが、ここまでの脚本を書き大作に仕上げるのが難しいというもの。
 
日本の映画業界ではまだまだ難しい面もあるかもしれませんが、是非俳優が「出れるだけで幸せ!」と思うような映画を作っていきたいものですね。

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